【初心者向け】CADとは?2Dと3Dの違いや種類をわかりやすく解説!

SolidWorks
Cnc coordinate measuring machine with metal turbine prototype and cad monitors in workshop.

「設計ってよく聞くけど、具体的にどんなことをやっている仕事なのかよくわからない」

「なんか頭の中で物を考えている人っぽくて難しそう……」

など、いろいろな人から言われることがあります。

そんな皆さんに、設計ってこんな感じで仕事をしてるんだ、こうやって身の回りのものはできていくんだ、ということを知っていただけたらいいなと思い、この記事をお届けします!

設計を仕事としてやっていると、「CAD(キャド)」というソフトを必ずといっていいほど使います。
今回は、このCADというソフトは一体どんなソフトウェアなんだろう?という基礎知識を、初心者向けに分かりやすく紹介していきます。

CADとは?初心者向けにわかりやすく解説

CADの意味と名前の由来

まず、名前の定義から説明していきましょう。

CADは「Computer Aided Design」の略で、その頭文字をとって「C.A.D(キャド)」と呼ばれています。日本語に直訳すると「コンピュータ支援設計」という意味になります。

文字通り「コンピュータを使用してデザイン(設計)を行うためのソフトウェア」のことです。
初めての方は、パソコンで動く「超高性能で正確なお絵描きソフト」のようなものだと思ってもらって大丈夫です。

手書き(ドラフター)からCADへの進化

コンピュータがない時代から、設計という仕事はもちろんありました。
では、その時代はどうしていたのでしょうか?

当時は、「ドラフター」と呼ばれる製図台の上に大きな紙を置いて、定規とペンを使ってすべて手書きで設計(製図)をしていました。
少しでも間違えたら、消しゴムやカッターで削って修正するという、大変な労力がかかる作業でした。

そこからパソコンが誕生し、「パソコン画面で設計した方が、圧倒的に早くて正確に描ける!」ということで生まれたのがCADというソフトウェアです。
紙とペンで描いていたものをデジタル化し、ものづくりのスピードを劇的に進化させました。

2次元(2D)CADと3次元(3D)CADの決定的な違い

CADには「2次元CAD」と「3次元CAD」の2つの種類があります。

CADの画面の中には、形を決めるための基準となる「座標軸」があり、一般的にX、Y、Zのアルファベットで表されます。

一番の違いは「Z軸(奥行き)」の有無

2次元(2D)CADは、そのうちのX、Yの2つの軸(平面)の上で絵を描いていきます。
このX、Yの2軸上に描いた絵は、ペラペラの紙のような状態です。

そこへ、さらに「Zの座標軸(奥行き)」を加えたものが3次元(3D)CADです
3次元CADでは、Z軸が追加されたことによって、パソコンの画面の中にリアルな立体(モデル)を作ることができます。
この「Z軸があること」が、3次元CADと2次元CADの最大かつ決定的な違いです。

2D CADの特徴と長所・短所

2D CADは、対象物を「正面」「真上」「真横」といった特定の方向から見た平面の図形として表現します。

  • 長所: 図面の中に「寸法(大きさを示す数字)」が明確に書き込まれるため、全体のサイズ感や詳細な数値を一目で把握しやすいのが特徴です。
  • 短所: あくまで平面の絵であるため、複雑な形状になればなるほど「直感的にどのような形をしているのか」を理解するのが難しくなります。

また、今回は「平成26年度 3次元CAD利用技術者試験 1級」に出題された図形を例に解説します。

3次元CADで作成される形状では、2次元CADだけでゼロから描こうとすると非常に大変なケースがあります。
例えば、図形の「斜めの面を四角く凹ませた場合に、自然に発生する境界の線(相貫線など)」です。
下の画像で赤丸で囲った線のことです。

2次元CADでは、このような線を寸法や拘束だけで簡単に作成することができません。
頭の中で立体を緻密に計算し、投影図法を使って手作業で線を導き出す必要があるため、2次元CADでの作図には技術的な難しさや限界が存在します。

その点で3次元CADでは、形状を作り上げていくと自然と線ができあがります。

3D CADの特徴と長所・短所

3D CADでは、まず平面上に描いた図形を、コマンドを使って真っ直ぐ「押し出し」たり、2つ以上の図形を繋げて形を作る「ロフト」というコマンドを使ったりして、立体を足したり引いたりしながらモデルを作っていきます。

  • 長所: 画面の中に立体モデルが出来上がるため、専門知識がない人でも、誰が見ても一瞬で形を理解することができます。
  • 短所: 正確な寸法で作成されてはいるものの、画面上で立体をぐるぐる回して見るだけでは、「個々の部分の具体的な寸法(数値)」がパッと見で把握しづらいという短所があります。そのため、工場へ製造を依頼する段階では、3Dモデルから2Dの図面を書き起こすのが一般的です。

2D CAD と 3D CAD の比較まとめ

項目2次元(2D)CAD3次元(3D)CAD
扱う座標軸X軸、Y軸(平面の2軸)X軸、Y軸、Z軸(立体の3軸)
形状の理解専門知識がないと直感的に分かりづらい誰が見ても一目で直感的に理解できる
寸法の把握寸法線が明記され、数値を把握しやすい画面で見るだけでは詳細な数値が分かりにくい

2次元CAD、3次元CADそれぞれに明確な長所と短所があるため、それを理解して目的ごとに使い分けることが大切です。

CADの種類と使われている業界・分野

CADには、2D・3Dといった違いのほかに、「どの分野の設計に特化しているか」によっても分けられます。

機械用CAD

自動車、スマートフォン、家電、ロボットなどの工業製品や、精密な機械部品を設計するためのCADです。
私が普段から使用している「SolidWorks(ソリッドワークス)」は、この機械系の3次元CADに分類されます。

工業規格のJISやISOなど、一般的に使用される汎用部品(ネジ、ナット、歯車など)の情報をデータベースとして保存されており、簡単に呼び出して使える機能が備わっていることが多いです。

建築・土木用CAD

家やビル、マンションなどの建物の図面を描くための建築用CADや、道路、橋、ダムなどのインフラ設計に使われる土木用CADがあります。
壁や窓、柱、あるいは等高線など、それぞれの業界でよく使う形状を素早く描くための専用コマンドが豊富です。

その他の専門CAD(アパレル・ジュエリーなど)

ほかにも様々な分野の専用CADがあります。洋服の型紙(パターン)をデジタルで作成する「服飾系CAD」、指輪などの複雑で美しい曲面を作る「ジュエリー用CAD」のほか、サーフィンボード専用のCADなどもあります。現代のものづくりの裏側には、必ずといっていいほどCADが活躍しています。

まとめ:CADの基礎を理解して目的に合った学習を始めよう!

今回は、最初のテーマとして「CADとは」を紹介しましたが、この記事で覚えておいてほしい重要なポイントは次の3つです。

  1. CADは「パソコンを使った、超高性能で正確なお絵描きソフト」である
  2. 2Dと3Dの最大の違いは、奥行き・高さを表す「Z軸(座標軸の数)」の有無である
  3. 2D(寸法が追いやすい)と3D(形がわかりやすい)には、それぞれ異なる長所・短所がある

この3つを覚えておいてもらえればバッチリです!

CADはお絵描きソフトと同じように、実際に自分の手で触って、コマンドを動かしていくことでどんどん上達していきます。
習うより慣れろが一番の近道だと思います。
ぜひCADソフトを実際に触って、実感してみてください。

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